コンプレッサーを長く使うコツをお教えします!

ちょっとした工夫でコンプレッサーの寿命は大幅に延ばすことができます。クライアント様側で簡単に実施できる取り扱い上の注意点について、いくつかご紹介しましょう。

①使わないときは圧力を下げよう

使わないときは圧力を下げよう

コンプレッサーには、連続して高圧の空気を利用し続けられるよう、たいてい「圧力容器」が接続されています。使用後には蓄積した圧力を開放する必要がありますが、製品や構成によっては自動で開放されない場合もあります。

圧力がかかったまま放置した場合、圧力容器の耐久性が低下する可能性があります。また、稼働時のまま放置した場合、空気の漏洩などで緩やかに圧力が下がった結果、圧力容器内部に結露が生じ、水が溜まってしまうことがあります。

コンプレッサーの使用後、特に年末年始や夏季休暇などで長期間にわたり使用しない場合などでは、取扱説明書などの所定の手順に従い、必ず圧力容器内の圧力を開放するよう心掛けましょう。

②周辺環境を整えよう

周辺環境を整えよう

次にお勧めしたいことは、周辺環境の整備、早く言えば「整理整頓、掃除」です。 なぁんだ、とお感じの方も多いと思いますが、コンプレッサーは周囲の空気を吸い込み、圧縮して吐き出す機器です。吸い込む空気が汚れていれば、当然汚れは機器の中に取り込まれ、内部の精密機器を傷めたり、配管が詰まったりなどといった不具合が発生しやすい状態となります。

動作音や振動などの関係で、コンプレッサーが工場の奥など圧縮空気を利用する場所から離れた場所に設置しているケースもあると思いますが、まずは吸気口がチリや埃、揮発性物質、高熱などを取り込まないよう、清掃をこまめに実施しましょう。また、機種によっては、内蔵のフィルターやコンプレッサー内部の清掃が可能な製品もあります。取扱説明書などの所定の手順に従い、定期的に清掃を行いましょう。

また、機器の配置を見直すなど、設置環境を改善することも効果的です。弊社では配管、電気配線などの付帯設備等も含む、機器の再配置に関するご相談も承っております。御社単独での設置環境改善が難しい場合にはぜひご相談ください。

③圧力容器の水抜きをしよう

圧力容器の水抜きをしよう

「①使わないときは圧力を下げよう」でもご紹介したとおり、圧力容器内には空気中の水分が凝結した結果、水が貯まることがあります。また、一般的に吸気側と比較して吐き出し側の空気は高温になるため自然に水が貯まる原因となります。さらに通常の使用においても、使用環境や温度・湿度の条件により水が貯まりやすい状況ともなりえます。

圧力容器内に過度に水が貯まった場合、容器内に空気を貯めることができなくなるため、コンプレッサーの効率的な運用ができなくなります。また、水分により容器内に錆などの腐食が発生する原因となったり、圧縮エアに水分が混入する原因となったりします。取扱説明書などの所定の手順に従い、定期的にドレンなどを操作して水抜きを行うよう心がけましょう。特に梅雨時期など、湿気の多い季節には水が貯まりやすくなるため注意が必要です。

なお、弊社では水の貯まりにくい環境を作成するための機器配置、およびエアードライヤーなど補助機器に関するご相談も受け付けております。水抜きでお困りの際はぜひご相談ください。

④潤滑油はこまめに手入れしよう

潤滑油はこまめに手入れしよう

レシプロタイプ、スクリュータイプの給油式をご利用の場合には、オイルの管理をこまめに行うことをお勧めします。

潤滑油はコンプレッサーの金属部品どうしの摩擦を軽減して摩耗を防ぎ、さらに密閉性を高める重要な働きを持っています。そして、運転時間に応じてオイルミストや漏出といった原因から自然に減少します。潤滑油の量をこまめに点検し、減っていたら継ぎ足しましょう。また、潤滑油が汚れてきたら全量を交換することも大切です。

これらの対策を実施することで、コンプレッサーの寿命を飛躍的に延ばすことができます。弊社のクライアント様にも、オイルの管理を徹底することで、長年にわたり安定的にレシプロタイプのコンプレッサーをご利用されている方が多数いらっしゃいます。取扱説明書などの所定の手順に従い、定期的に対策を実施してください。

ただし、オイルを補充したにも関わらず、動作音が大きい、急激に潤滑油が減る、などの症状が見られる場合には修理・メンテナンスが必要ですので、弊社までご一報ください。

⑤フィルターは常にきれいに

フィルターは常にきれいに

フィルターは、取り込んだ空気中からチリや埃などの異物を除去し、機械内部への侵入を防ぐ働きをもっています。しかし、フィルターが汚れてしまうと、目詰まりを起こして空気を取り込みにくくなったり、異物を除去できなくなったりといった事態が発生し、コンプレッサーの破損や故障ともなりえます。

そういった事態を防ぐため、定期的にフィルターを清掃することが大切です。パッケージタイプなど、箱型のコンプレッサーであれば外側についているフィルターに内側から空気を吹き付けるなどして清掃しましょう。また、圧縮空気の温度を下げ水分を除去する「アフタークーラー」をお使いの場合には、そちらのフィルターも併せて清掃しましょう。アフタークーラーへの配管が詰まった場合、加熱により停止する場合があるからです。

フィルターの清掃を行ってもきれいにならない場合や破損してしまった場合には交換が必要です。また、フィルターを清掃したにも関わらず故障信号が消えない場合ではメンテナンスが必要な場合もあります。

交換やメンテナンスが必要となった際は、ほぼすべての国内メーカーの製品の補修部品を取り扱っている弊社までご相談ください。

弊社の修理・メンテナンス事例

①突発修理事例

突発修理事例

コンプレッサーも機械ですから、故障はつきものです。特に繁忙期に故障してしまうと、業務継続性の面からも大きな損害を生むことになりかねません。

弊社の担当するある工場から「エラーが出てコンプレッサーが停止し、空気が出ない」とSOS。弊社アドバイザーが急行しました。2台のコンプレッサーが同時運転するパッケージタイプの機種でしたが、異音がする上の1台が故障したようでした。ひとまず故障した1台を停止し、残り1台での運用とする緊急対応を実施しました。

後日、工場が稼働していない休日に故障したコンプレッサーを修理し、無事通常運転へと移行しました。結果的に代替機も必要とせず、ほぼ工場を止めることなくアクシデントに対応できた事例となりました。

②トラブルを未然に防ぐ計画整備事例

計画整備事例

計画整備は車に例えると「車検」にあたります。コンプレッサーを停止する必要があるため、整備時期が近づくと弊社のアドバイザーが伺い、日程をご相談のうえ整備を開始いたします。

この現場では複数メーカーのコンプレッサーを混在して使用していましたが、弊社が一括して計画整備を請け負っており、今回も計画整備を実施し、消耗部品の交換等を行いました。

計画整備の実施により、コンプレッサーの故障や突然の停止などのトラブルを未然に防ぐことができます。整備の間隔は機器の設置環境や運転時間等により変動しますが、弊社ではクライアント様の状況をお聞きした上で、適切な計画整備をご提案いたしております。

計画整備に伴う運転停止中に必要となる代替コンプレッサーも多数用意しておりますので、コンプレッサーの定期点検をお求めの際は弊社までお気軽にご連絡ください。

③巡回点検事例

巡回点検事例

弊社では、契約したクライアントを対象とした年2回の巡回点検事例を実施しています。コンプレッサーを停止して部品交換などを行う計画整備とは違い、コンプレッサーの動作状況を目視で確認する点検です。

コンプレッサーが正常に動いていることを確認するとともに、周辺環境が整備されているかなどについても確認します。幸い、今回の循環点検では異常は発見されませんでしたが、場合によっては巡回点検の実施後、必要と思われる修理・メンテンナンスのご提案をする場合もあります。

「トラブルを未然に防ぐ」計画整備に加え、さらに巡回点検を実施することで、御社のコンプレッサーの安定動作をより確実なものとします。安定したコンプレッサーの運転をお求めの場合は、ぜひ弊社までお問い合わせください。

弊社の販売・更新事例

①工場動力室新規 施工事例

工場動力室新規 施工事例

新規に工場を建設した事例をご紹介します。

この事例では、コンプレッサーの機種選定に始まり、コンプレッサー設置室の部屋づくり、配管、ダクトおよびガラリ(換気口)の設計、電気配線等の施工に携わりました。

まずは弊社のアドバイザーがお伺いして必要な圧力エアの仕様を聞き取った後、各機器の選定を行いました。その後、熱対策、排水対策などを考慮した効率的・機能的な機器配置および配管・配線のレイアウト案を作成し、お見積りとともにご提案した結果、施工までをお任せいただきました。

エア配管工事、排水(ドレン)配管工事、排熱ダクト製作および設置工事等、コンプレッサーに関するトータルサービスを提供している弊社ならではの事例と言えます。

②省エネ化プレゼン事例

省エネ化プレゼン事例

化学系の工場での機器更新事例をご紹介します。

コンプレッサーの更新を打診された場合、弊社アドバイザーは省エネを考慮した提案を行うことがあります。この事例では、それぞれメーカーの異なる1段式のコンプレッサーと2段式のコンプレッサーについて、クライアント様の使用状況を踏まえ、イニシャルコストと年間ランニングコストを算出し比較資料を提示しました。

2段階に圧縮を行う2段機は、1段機に比べて機構が複雑になるため価格は高くなりがちです。しかし、電気使用量については2段機の方が有利とされています。コンプレッサーは長く使う製品であることから、弊社は2段機をお勧めしました。

弊社は特定のメーカーに依拠しておりませんので、メーカーをまたいだ比較資料の提示も可能です。他にもエンジンコンプレッサーとモータコンプレッサーとの比較など、具体的な数字を伴う比較資料をご用意し、御社の適切な機種選定をサポートします。

③コンプレッサー更新

コンプレッサー更新

食品関連工場でのコンプレッサー更新事例をご紹介します。

通常、食品関連の工場ではオイルフリー型のコンプレッサーを使用しますが、この工場では必要とする出力の関係からオイルフリー式ではなく給油式を提案しました。

とは言え人の口に入る食品を扱う工場ですから、オイルミスト等の混入は赦されません。この事例では排熱機構やフィルター構成を工夫し、さらに仮にオイルが漏れたとしても床を汚すことのないよう、コンプレッサー自体を皿状の台座上に設置することで給油式のコンプレッサーの実装を実現しました。

設置環境、周辺環境を整えれば、食品関連の工場でも給油式コンプレッサーを使用してクリーンな圧縮エアを得ることができるという事例です。機種選定にお悩みの場合や特殊な状況下でのコンプレッサーの設置をお考えの方は、ぜひ施工経験が豊富な弊社までお問合せください。

④コンプレッサー増設・配管設計

増設・配管設計

この施設では圧縮エアーの需要が高まり、コンプレッサーの増設が必要となりましたが、既に作業場にはコンプレッサーを設置するスペースがありませんでした。そこで、作業場から2部屋離れた場所に増設分のコンプレッサーを設置することとなりましたが、ここで圧縮エアの取り回しが問題となりました。

建物内で配管するとなると、壁や仕切りに穴を開ける工程が必要となり施工コストが上昇します。また、室内には精密機器や工作物が多数あり、それらを迂回すると圧縮エアの経路が複雑になるため、圧力損失が問題となりそうでした。

そこで建物の裏側を見せていただき建物外に配管することをご提案しました。臨海地域のため塩害の心配もあり、また昼夜の温度差も大きいため、保温材の上からラッキングを行い、ご覧のような完成形となりました。

コンプレッサーの設置だけでなく、圧縮エアや排水(ドレン)の配管工事も請け負う弊社の強みが生きた事例となりました。

⑤医療関係のコンプレッサー更新事例

医療関係のコンプレッサー更新事例

医療関係の施設でのコンプレッサー更新事例をご紹介します。

本事例ではクライアント様が騒音を気にされていたため、機器更新を機に医療機器の動力源となっていたレシプロタイプのコンプレッサーをスクロール式のコンプレッサーへと置換しました。

医療機器や製本機器などの購入時には、コンプレッサーはそれらの機器の付属品として納入されることも多く、最低限の出力しか備えていないものや、価格のみで機種を選定したため好ましくないタイプのものが採用されていることもあります。

また、クライアント様側でも、そもそもコンプレッサーが設置されていることを認識していなかったり、設置されているコンプレッサーが給油式でオイルの管理が必要であることをご存じなかったりする場合もあります。

この事例のように、機器の更新にあたってより適した機種への変更を提案し、作業環境の改善を図ることも弊社の使命です。

使用している機器が不調になり、その原因がコンプレッサーにあると感じましたら、弊社までお気軽にお問合せください。

⑥鉄鋼所のコンプレッサー更新事例

⑥鉄鋼所のコンプレッサー更新事例

鉄工所のコンプレッサーの更新事例をご紹介します。

ここではもともとオイルフリー式のコンプレッサーを採用していましたが、最新機種への更新を実施しました。鉄工所では「ヒューム」と呼ばれる、金属の加熱や昇華により生じる金属性の粉塵が発生するため、併せてフィルターを設置し、クリーンな圧縮エアを得られるよう工夫しました。

設置前に比べ、設置後のコンプレッサーは多少スリムになっており、最新型のためデザイン性も優れていることがお判りいただけると思います。ただし、更新作業の場合、弊社では現場調査の一環として稼働中の旧機種を撮影した後、設置場所の徹底清掃を行い、設置・試運転を経て、引き渡し直前の写真を撮影しています。ですから、入れ替え直後の更新機器および設置環境がきれいに見えることは当然とも言えます。

弊社アドバイザーはご要望に応じて引き渡し時に運用開始後の動作環境の維持についてのアドバイスも積極的に行っております。更新したコンプレッサーを長期間にわたり快適に使用するため、ぜひ御社の機器管理にお役立てください。